中古住宅市場におけるインスペクションが重要な理由
中古住宅の販売では、価格が一定せず、査定業者によって価格にばらつきが生じることがあります。
そこで、インスペクションが重要な役割を果たします。
具体的には、インスペクションを行うことで中古住宅の適正な価格設定が可能となり、公正で信頼性のある売買が可能となります。
アメリカでは中古住宅売買においてインスペクションが一般的となっており、日本でもその流れが広まってきています。
国土交通省による対策について
国土交通省は、中古住宅売買市場を活性化するための取組として、インスペクションの普及を目指しています。
具体的には、「既存住宅インスペクション・ガイドライン」というものを策定し、普及活動を行っています。
これにより、より信頼性の高いインスペクションが行われることが期待されます。
中古住宅購入者はこのガイドラインに基づいたインスペクションを要求することで、安心して購入することができます。
中古住宅市場へのインスペクション活用の意義
中古住宅の売買がスムーズに進むために、インスペクションの活用は非常に重要です。
従来の中古住宅のインスペクションでは、業者によって検査の基準やスキルにばらつきがあり、結果にも差が出ていました。
しかし、国土交通省が2013年に策定した「既存住宅インスペクション・ガイドライン」により、どの業者に依頼しても同じ基準で検査が行われることが保証されました。
これにより、中古住宅の販売価格や品質に対する不安を払拭することができ、インスペクションの実施が促進されました。
中古住宅の購入者は、このガイドラインを利用して信頼性の高いインスペクションを要求し、購入時のトラブルを最小限に抑えることができます。
参考ページ:ホームインスペクションの中古住宅は売る時に高く売れるのか?メリット・デメリットを解説
改正宅地建物取引業法による中古住宅取引におけるインスペクションの義務化
2018年4月から施行された改正宅地建物取引業法では、中古住宅の取引において、仲介業者は売主と買主の両方に対して、インスペクションについて詳しく説明することが義務付けられました。
つまり、売主に対しては、インスペクションを利用することを積極的に勧めることが義務とされており、また、インスペクション業者の紹介や斡旋を行うことも奨励されています。
改正された法律の目的は、中古住宅の取引において、売主と買主の情報の格差を解消し、取引の公正性と透明性を確保することです。
インスペクションとは、住宅の建築や設備の状態を専門家が詳しく調査し、報告書を作成することです。
これにより、買主は住宅の実際の状態を把握することができ、将来的な修繕やリフォーム費用の予測が可能となります。
売主への義務化により、買主は購入前により詳細な情報を得ることができるため、取引におけるリスクを軽減することができます。
売主にもインスペクションを受けることを奨励することで、売主側も不動産の評価や売却価格の決定に役立つ情報を得ることができます。
さらに、法律改正により、インスペクション業者の専門性や信頼性の向上を図ることも目指されています。
インスペクション業者は、関係法令に基づいた適切な認定を受けた専門家でなければなりません。
また、売主や買主に対して、明確でわかりやすい報告書を提供することが求められています。
このように、改正宅地建物取引業法によるインスペクションの義務化は、中古住宅取引における取引の透明性と公正性を向上させるための重要な取り組みです。
買主と売主双方の利益を守るためにも、インスペクションの活用は積極的に推進されるべきです。